行政書士事務所名越オフィス

運送業許可の手続きから巡回指導まで

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運送業許可の手続きから巡回指導まで

運送業許可の手続きから巡回指導まで

2024/01/12

貨物自動車運送業許可から巡回指導までというテーマは、貨物自動車運送事業を新たに始められた方にとって非常に重要な問題です。貨物自動車運送事業には思っている以上に多くの帳票管理が必要であり、適切な設備や車両、従業員の管理が求められます。一方、許可を取得しても違法状態で運営する業者があるため、厳格な巡回指導が必要となります。本稿では、運送業許可の取得方法から巡回指導まで、必要な情報を紹介します。

目次

    運送業許可の手続きとは?

    運送業許可を取得するには、準備期間も含め最低4か月以上かかります。営業所や車庫の確保、トラック5両と運転者5名の確保、運転資金の確保・・・。その後、書類を整えて運輸支局にて許可申請書を提出し、法令試験や書類審査を乗り越えなければなりません。また、許可後も任意保険の加入や車両の登録も必要となります。その後、運輸開始届を提出してようやくひと段落します。はじめから行政書士等専門家におまかせで進めることができますが、私は二人三脚で進めていただく方が良いと考えます。その後も定期的な運転者の研修や各種適性診断や健康診断などありますので、適切なスケジュール管理で巡回指導に向けて進めていきましょう。

    貨物自動車運送適正化事業実施機関による巡回指導について

    巡回指導と行政監査を混同されている方がよくいらっしゃるのですが、似て非なる全く別物です。巡回指導は各運輸局から委託を受けた貨物自動車運送適正化事業実施機関(各都道府県等地域のトラック協会)によって行われる指導です。ここでいう指導は、罰則や処分を伴わないものです。これに対して、行政監査は罰則や処分があり、車両停止処分(一定期間ナンバープレートが取り上げられてしまう!)や重い違反になると営業停止や許可取り消しを課されてしまいます。

    それじゃあ巡回指導は色々言われても無視すればいいじゃんと思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。巡回指導にはA~Eの5段階評価があり、特に最低のE評価は行政監査の対象になってしまいますし、改善報告を怠ると速やかに臨店監査が実施されてしまいます。

    もちろん行政書士の中で巡回指導に詳しい方はたくさんおられます。巡回指導の度に専門家の力を借りるのも良いですが、常日頃から法令を理解し、書類の整備や適切な管理を行っていただくことが大切です。

    巡回指導の実施時期について

    さて、巡回指導の実施時期ですが、初めての巡回指導は許可取得後、車両の登録、従業員の社会保険等の加入、車両保険等の加入手続きが終了し、運輸開始届を管轄の運輸支局に提出した後、概ね3か月以内を目途に実施されます。事前に日程等が記載された通知文書が郵送されますので、突然実施される心配はありません。実施当日には指導員が営業所を訪ねてきて、事業者立ち合いの下行われます。許可取得準備段階からしっかりと巡回指導までを見越して取り組んでいきましょう。

    巡回指導後、改善すべき事項があれば、改善通知書が交付されますので、3か月後の期日までに忘れず改善報告書を提出しましょう。その後はABC評価約2~3年後、DE評価は約半年後というサイクルで定期的に巡回指導が実施されます。

    ドライバーの労働環境と巡回指導

    昨今運転手の労働環境の改善や働き方改革が推進されており、2024年問題ももはや目と鼻の先に迫っています。運輸業界においては巡回指導よりも重要な課題かと思います。ただし、私の指導員としての経験上労働環境が比較的整備されている運送会社は巡回指導の評価は総じて高いです。それは経営陣のコンプライアンス意識の高さの証左といえるでしょう。もちろん巡回指導の評価が高い=働きやすい運送会社だとは一概に言えません。しかし、巡回指導程度にリソースを割けない会社がこれからの長時間労働対策や業務改善に取り組んでいけるでしょうか。社長の姿勢は従業員に伝播します。社長が従業員全員に目が届くということは従業員全員も社長を見ているからです。

    当事務所では元適正化事業指導員の経験を活かし、巡回指導に向けた適切なマネジメント・当日の立ち会あ対応も行っております。最終的にはご自身のみで万全の対応できるくらいになるまでしっかりとサポートさせていただきますので、ぜひご相談お待ちしております。

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